万座温泉の歴史はあまりにも古く、最初の発見が何時、誰によってなのかは明らかになっていない。
ただ、坂上田村麻呂が、万座温泉で鬼退治をしたという伝説が残っているのみである。
熊四郎岩窟からの出土品によって、先史時代には温泉の利用があったといたといわれている。
土器をはじめとする出土品からは、弥生時代には人の住居があったと推測されている。
今から600年前の文献によると、既に現在の場所に「まんざ」という地名の仮住みの集落が
あったことがわかる。仮住みということは、当時、寒さの厳しい万座では越冬できないものと
考えられていたことがうかがえる。
また、400年ほど前には、土地の豪族・羽尾入道が万座温泉入湯の留守中に、
鎌原城主に滅ぼされたという記録があり、既に万座温泉が多くの人に利用される温泉であったことが
わかる。
昔から、豊富な湯量に恵まれ、泉質は20種類を超え、名湯中の名湯といわれていた。
効能も多彩で、昔から呼吸器病や胃腸病、リウマチや皮膚病に効能があるといわれ、
難病を治したというエピソードも数多く伝わっている。